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2025年5月22日

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大島前会長 退任のメッセージ

 この度の会員総会をもちまして、2期4年務めさせていただきました愛知県経営者協会の第17代会長を退任いたします。思えば4年前、この愛知県経営者協会の会長を拝命した時は、新型コロナ感染症の猛威の最中にあり、総会は書面開催でのスタートでした。当初は非接触・非対面の中で、いかに情報共有し、皆様のお役に立つお手伝いができるか、模索と工夫を重ね、会合のオンライン化や、密にならない会場で少人数の意見交換ができるような場を提供できるよう努力いたしました。

 コロナ感染症が徐々に落ち着き、人やモノの流れが正常化していく中で、2022年~24年の中期活動計画を策定し、ポストコロナを見据えた人事・労務課題を中心に取り組んでまいりました。中期活動計画では、人口減少と産業構造の変化という大きな転換の時代を迎え、「労働生産性の向上」、「労働参加率の上昇」、「労働移動の円滑化」を併せて進めることが重要な経営課題と位置付けるとともに、人材育成、雇用システムの見直し、エンゲージメントの向上など、「基盤づくり」にも取り組みました。

 私は、かねてより、この経営者協会が「実務のお役に立つ」という部分を大事に思っており、会員企業のご担当の皆さまに対し、実務で具体的なお手伝いができる取り組みに力を入れてまいりました。昨今の人手不足や「人への投資」への機運醸成に伴い、賃金引き上げへの関心が大変高まりました。「労働生産性の向上」については、その原資確保を支援するため、「パートナーシップ構築宣言」を軸として、サプライチェーン全体で付加価値を向上させるため、労務費の価格転嫁を含めいかに実効性を高める取り組みにするか、模索してまいりました。

 「労働参加率の上昇」に関しては、外国人材や障がい者の雇用の確保・活躍支援に取り組みました。特に、当地が外国人材から選ばれる地域になることを目指し、働く外国人材だけでなくその家族、将来を担う外国ルーツの児童・生徒のサポートに力を入れました。居場所である地域日本語教室へ、企業からボランティアを送り出す活動は、中部経済連合会や愛知県、愛知県国際交流協会など産官による連携活動に発展し、仕組みづくりが進められたことが印象に残っています。

 今日まで、他団体や行政機関などとも連携しながら、実際に企業のお役に立てるような仕組みづくりの基礎を固めてまいりました。昨今の人口減少加速で、さらに人手不足が深刻化する一方、生成AIなどが実用段階に入り、仕事の在り方、働き方そのものが大きく変わるチャンスを迎えています。こうした不透明な時代だからこそ、「人」の力が大変重要で、経営者協会への期待は、ますます大きくなるものと思われます。

 有馬新会長のもと、引き続き「〝人〟に関して企業のお役に立つ愛知経協」としてさらに発展されることを祈念いたします。4年間の会員の皆さまのご厚情とご理解・ご支援に感謝を申し上げ、退任のご挨拶とさせていただきます。

 ありがとうございました。

— 大島 卓