会長コメント
2022年7月11日
参議院議員選挙の結果について
岸田政権が発足後、政権運営の実質的な評価を問う上では初めてとなる国政選挙が終了しました。
今回の参議院議員選挙の結果は、ワクチン接種推進をはじめ新型コロナウイルス感染症への対応、ウクライナ情勢等を踏まえた国際社会の取り組みへの積極的な参加等への一定の評価であり、選挙直前に決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」(骨太の方針)にも盛り込まれている「新しい資本主義」への挑戦に対する期待や、目下の難局を安定した政権で乗り切ってもらいたいとの国民の願いの表れだと思います。
新型コロナウイルス感染症への対応は、足元の感染再拡大に対する不透明感は強いものの、ポストコロナに向け、社会経済活動を本格的に次のステージへ移していく必要があります。感染拡大のリスクを最小限にコントロールしながら、海外との往来も含め、人の活動を活性化していかねばなりません。
また、成長と分配の好循環を掲げる「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を踏まえ、政策の柱に「人への投資」が盛り込まれたことを歓迎しています。これを機に、政府の経済政策に雇用・労働政策をしっかりと位置付けていただきたい。
足元はエネルギー・モノの価格が上昇し、急激な円安の進行も懸念されます。また社会保障費や政府財政のひっ迫が将来不安の一因となり、消費低迷や、ひいては少子化という構造的困難に直面して久しいことも現実です。
今後腰を据えた政策検討・実行が可能なこの時期にこそ、少子高齢化と人口減少に伴う労働力不足の問題はもとより、財政や物価の動向とバランスの取れた分配の好循環をどう築いていくかに正面から向き合わねばなりません。そして、デジタルトランスフォーメーション(DX)やカーボンニュートラル(CN)等の産業構造の変化を見据えて、働くものが成長の果実を実感できる、持続的な道筋を示し、政策を実現していくことを望みます。
2022年7月 11日
愛知県経営者協会
会長 大島 卓