自由民主党の新総裁が決定しました。人事・労務を専門とする経営者団体として、コメントいたします。

　岸田新総裁の選出は、経済・外交におよぶ広い見識や、これまでの閣僚・党要職などでの経験における着実で安定した政治手腕が評価された結果だと思います。

まずは新型コロナウイルス感染症への対応を最優先に取り組んでいただきたい。

この次の感染拡大にも備えた医療体制の充実、治療薬・治療法の開発はもとより、コロナ禍で深刻な影響を受けている産業の再開・再建や雇用安定に向け、手厚く時宜を得た支援を続けていただきたいと思います。

また、経済の速やかな回復に影を落としているグローバルなサプライチェーンの供給不安を払しょくするためにも、新興・途上国へのワクチン・医療支援など、可能なサポートを進めるべきと考えます。

　ポストコロナの時代に向けて、少子高齢化と人口減少に伴う労働力不足の問題に、全力を傾けていただきたい。

短期的には労働参加をいかに増やすか、多様な方々が生き生きと働くための環境整備が必要です。特に65歳を超える高齢者の活躍や、海外にルーツを持つ方々との共生を含めた基盤づくりがカギと考えます。

　中・長期的には子どもを産み育てやすい、将来に希望が持てるような教育・働き方・社会保障の循環が不可欠です。財政や所得の再配分による格差是正にも目を配りつつ、ぜひ改革を進めていただくことを期待します。

　デジタルトランスフォーメーション（DX）やカーボンニュートラル（CN）など、産業構造の変化を見据えた成長戦略も重要です。

雇用・労働の観点からは成長する産業への労働力の移動が円滑に進むよう、法や規制・雇用慣行等の仕組みづくりの面からグランドデザインを描いていただくことを強く要望いたします。

2021年9月29日

愛知県経営者協会

会長　大島 　卓