愛知県を対象とする緊急事態宣言の解除が決定しました。人事・労務を専門とする経営者団体として、コメントいたします。

まず厳しい状況の中、献身的な努力を続ける医療関係者の皆様へ心より感謝いたします。また行政をはじめ様々な現場の関係者、県民の努力の賜物によるものと感じており、宣言解除を歓迎いたします。

休業、酒類提供などの制約で深刻な影響を受けている関係業界が雇用を維持し、事業を継続できるよう、引き続き政策・財政面での手厚い支援をお願いします。

今後これまでと同じようなリバウンドを繰り返さぬため、行動緩和は急激にではなく、段階的に行うことを求めます。

企業活動においても、引き続きテレワーク・時差出勤・休暇取得の推進、職場での不織布マスク着用や手指消毒等の感染対策の徹底により、出勤者の人流抑制・感染予防を呼び掛けるとともに、職域でのワクチン接種の推進に取り組んでまいります。

一方で、ワクチン接種の進捗・ポストコロナを見据え、経済活動の再開の道筋を示す必要があります。コロナウイルスとの共存は長期にわたることが考えられます。それを前提に、ワクチン接種証明やウイルス検査での陰性証明と組み合わせ、国内外の人の移動、イベントや飲食・宿泊施設などの運用を積極的に実証実験し、感染状況ごとの運用・人流の緩和基準や全体のスケジュールを早期に明らかにする必要があります。

併せてワクチン未接種の方に対し、職場・学校等や、商取引の力関係などによる差別を生まぬよう、行政には一定のガイドラインやルールを示していただくことが有効と考えます。

また、テレワークを緊急時の応急措置にとどまらず、業務の抜本的な見直しや投資を通じて真に生産性向上の手段としていくため、それらを促す行政からのさらなるサポートもお願いしたいと思います。

2021年9月28日

愛知県経営者協会

会長　大島 　卓