会長コメント
2024年3月19日
日本銀行の金融政策変更について
本日、日本銀行の政策決定会合で、マイナス金利政策の解除等が決定されました。
長年続いた異例の政策を正常化するものであり、今後の経済政策の選択肢を広げることにつながる今回の決定を、率直に歓迎します。
我が国はこの30年の間に、デフレ経済にすっかり慣れてしまっていました。価格転嫁や賃金引上げなど、商慣行を含めたこれまでの慣習を見直す中、本日の金融政策の転換により、真のデフレ脱却に向けて、スタートラインに立ったものと考えます。
もとより資源・エネルギーなどに限りのある我が国にとって、最も重要な資本は「人材」です。賃金引上げによる「人への投資」を起点とした「成長と分配の好循環」を、いよいよ本格的に軌道に乗せるべく、企業や働く人、行政機関などがそれぞれの役割を果たし、製品やサービスの付加価値や生産性を高め、持続的な成長につなげていかねばなりません。
政府や日本銀行には、金融政策の転換によるローン・借入金の金利上昇等に伴う実体経済への影響などにも注視しながら、引き続き、経済の持続的な成長に向けて、企業活動や個人消費を後押しする戦略・政策を実行いただきたいと思います。
また、社会保障や財政に対する将来不安を払しょくすることも、企業・個人の投資・消費マインドに大きな影響を持つことから、今後の「金利のある世界」に備えて、政府財政の規律ある運営と早期の健全化に道筋を示していただくことを求めます。
2024年3月19日
愛知県経営者協会
会長 大島 卓