2023年春季労使交渉において、集中回答日の本日、各社より多くの回答が示されました。

まずは大手中心に、軒並みこれまでにない高い回答が出ています。足元の物価高はもとより、グローバル競争の中で私たちが置かれている状況や、コロナ後の人材確保等を見据え、各社が本格的に「人への投資」に取り組み始めた結果と受け止めています。

賃金と物価が持続的に上昇する経済の好循環を形成するには、地域の経済を支える多くの中小企業で、こうした動きが広がっていく必要があります。これから回答を控える多くの企業がどれだけ続いていけるかが重要です。

また、成長と賃金引き上げの流れを一過性のものとせず、今後も継続していけるよう、各社、各地域、国の機関等がそれぞれの役割を引き続き果たしていくことが、これからの我が国・地域の持続的発展への重要なカギになると思います。

今期は厳しい状況に置かれた業種、企業もあり、そうした企業では、自社の経営状態や直面する課題を労使で真摯に共有し、一体となって来期以降の成長に取り組むための対話を続けていただきたいと思います。

各社において、この先の様々な経営課題に労使で向き合い、雇用維持や賃金・賞与の水準に限らず、幅広く活発な意見交換を行う場となることを期待しております。

　愛知県経営者協会は、サプライチェーン全体で賃金引き上げ原資を確保する観点から、引き続き「パートナーシップ構築宣言」の参画拡大と実効性確保に取り組むとともに、交渉・協議状況等の情報提供を通じて、当地の企業をサポートしてまいります。

                             2023年3月15日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　愛知県経営者協会

　　　　        　　　　　　　会長　大島 　卓