• 調査・提言等発表資料
  • セミナーのご案内
  • 支部会・業種別部会のご案内
  • 労務相談Q&A
  • 研修ビデオの貸し出し
  • 採用適性診断サービス
  • メールマガジンのご案内
会員専用ページについて

会員企業の皆様は、ホームページからも、本会発表資料(賃金・賞与交渉状況、モデル就業規則、各種ガイドブックなど)がホームページ上でご確認いただけます。

『会員専用ページ』からアクセスしてください。

会員専用ページ

モデル賃金

次世代育成支援対策推進センター

トップページ > 経営者訪問 - 2019年3月

経営者訪問

ささえあい、たすけあいのまちづくり 南医療生協のチャレンジ

南医療生活協同組合 代表理事 成瀬 幸雄 氏

南医療生活協同組合 代表理事 成瀬 幸雄 氏

◆住民の想いを集めた地域の拠点としての病院

 JR南大高駅のすぐ目の前に建つ南医療生協病院は、住民が集うカフェや近隣の小中高生が無料で使える自習室が入った施設もあるというユニークな構造になっています。これは、病院という空間に閉じこもってしまいがちな患者さんが、健康な利用者の姿を見ることで治療への意識が高まることを意識したものです。
 ここに病院を移設させる時には、地域住民からの意見に耳を傾け、アイデアを募り、病院づくりに関わってもらいました。そこで出た声を反映して、保育士が常駐しているだけでなく病院の小児科医が診察してくれる「病児保育室」があります。また、フィットネスクラブもあり、専門スタッフが健康づくりのアドバイスをしています。ほかにも、マンガ本まで揃えた図書室もあります。そのような空間を病院内に併設することで、地域の方が気軽に立ち寄れるような設備を作ったのです。
 住民の皆さんが自らの声で作り出した施設で、医療や介護サービスを受け、さらには日常的な生活サービスを満たす地域のコミュニティをつくりだしています。病院を中心とした複合施設を見て、病院のなかに一つの街ができていると言う人もいます。

◆地域まで含めた診療、家族や家庭まで見る

 この施設の一番の目的は、地域住民が世代を超えて集える場所をつくることです。自由に利用できるスペースは、子育て中のお母さんに使って欲しいと考えました。併設している高齢者住宅に住む居住者にも参加してもらい、家族のように交流できればいいなと思ったのです。複合施設ならではの長所を生かして、世代を超えた人がつながり助けあう街の風景を感じてもらえると嬉しいです。
 病院機能の面でも、医療生協の特徴を活かして、病院、診療所、介護施設など地域の施設や住民をネットワークで結ぶ取り組みをしています。また、他の病院などのネットワークにより、地域の医療、介護、予防、生活支援そして住居を包括的にサポートする地域包括ケアの拠点機能もはたしています。私たちは、地域と一緒に潤い、地域まで含めた診療、家族や家庭までみるという思いを大切にしています。

◆これからの日本社会の一つのモデルとして

 日本の社会は高齢化が進む中、一人暮らしの高齢者や、認知症者の増加など、今まで経験したことがない事態が多数予見されており、「地域包括ケアシステムの構築」が焦眉の課題となっています。
 今後、全国の多くの地域で、車の運転や歩行に困難がともなう高齢者の増加や人口減少の進展を受けて、都市機能を中心地に集約して整備するコンパクトシティやワンストップサービスの提供が可能な“地域の拠点施設づくり”が進められていくと考えられます。
 そのような場合に大切になるのは、施設づくりに先立ち、まずは関係する地域住民が集まり、みんなで求められている必要な機能やサービス、あるいは運営方法といったソフト面の検討から始めることだと思います。医療や介護は、永遠に続く産業です。だからこそ、地元が第一であり、地域と一緒になって考えて地域が一体となる形をつくっていく必要があります。

◆時代のキーワードは、「多世代・多文化」

 これからは、どの地域社会にも外国人の居住者も増えていくことになると思われます。多文化社会が進行していくことは間違いありません。外国人も交わって地域が健全に成り立っていく在り方を考えていく必要があります。受け入れていく姿勢、奪うのではなく持っているものを分かち合う心、そして、協力し合い見守っていくことが大切になっていくと感じています。
 街づくりの基本は、自分たちで“つくる”ことだと思います。誰かにやってもらうのではなく、皆で議論して、皆で治めるというのが良いのではないでしょうか。支え合うのが社会の基本であると思います。失敗しても修正していけばいいのではないでしょうか。私は、民俗学から学ばせてもらう事が多いのですが、先人や過去の知恵を引き継いで今をつくる姿勢が大事だと思います。日本人の伝統を繋いでいくことが、多様化するこれからの時代には肝要なことだと信じています。
 そのような変革の時代に、経営者協会が「経営の倫理」に重点をおかれ、法令遵守の徹底化を指導されていることは良いことだと思います。それに加え、同業者間(私どもでいえば、医療や介護)での情報交換などの活動に期待をしております。