2024年春季労使交渉において、集中回答日の本日、各社より多くの回答が示されました。

賃金引上げについて、約30年ぶりの水準となった前年を上回り、大手中心に、軒並みこれまでにない高い回答が出ています。「成長と分配の好循環」に向けて、強い決意とともに一歩を踏み出した昨年の流れを確固たるものにすべく、多くの企業が取り組んでおり、交渉の早い段階で回答を示し、他の企業や業界への流れを後押しするなど、力強い動きが見られます。

この流れが、これから回答を控える業界や中小企業にどこまで及ぶかが、今後の我が国、当地の経済に活力をもたらすうえで、最も重要な焦点になります。

前年からの賃金引上げの流れを受け、これからの経済、企業の持続的成長のために、「人への投資」がいかに重要か、大変多くの企業労使が、その思いを共有していると感じています。

賃金を引上げるにも、未だ業績が厳しく、または価格転嫁が進まず原資が乏しい中で、やむを得ず「防衛的に」対応する企業もあります。厳しい状況にある企業こそ、価格転嫁のために取引先に声をあげることを含め、自社の経営状態や直面する課題に労使で真摯に向き合っていただきたい。企業経営者とそこで働く人たちが、今期に限らず来期以降にもつながる持続的成長に取り組むための対話を重ね、サプライチェーン全体の価値向上を考える機運が盛り上がっていくことを、強く願っております。

　愛知県経営者協会は、サプライチェーン全体で賃金引き上げ原資を確保する観点から、引き続き「パートナーシップ構築宣言」への参画を呼び掛け、実効性確保に取り組むとともに、交渉・協議状況等の情報提供を通じて、当地の機運醸成や企業のサポートに力を入れてまいります。

                            2024年3月13日

　　　　　　　　　　　　　　　　愛知県経営者協会

　　　　        　　　　　　会長　大島 　卓