「BRICS」、そして「VISTA」
東邦ガス株式会社 取締役社長 水野耕太郎(ミズノ コウタロウ)
| 昭和16年3月生まれ | |
| 昭和38年3月 | 名古屋大学 法学部卒業 |
| 昭和38年4月 | 東邦ガス株式会社 入社 |
| 平成 4年6月 | 同社 人事部長 |
| 平成 6年6月 | 同社 企画部長 |
| 平成 9年6月 | 同社 取締役 |
| 平成12年6月 | 同社 常務取締役 |
| 平成14年6月 | 同社 専務取締役 |
| 平成16年6月 | 同社 取締役社長 |
| 現在に至る | |
新興発展国として、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の四カ国)が言われて久しいが、最近、これに続く有力国として、VISTAが新聞や雑誌で取り上げられるようになった。ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン五カ国の頭文字をとったもので、エコノミストの門倉貴史氏が名付け親と聞く。
二か月余り前になるが、LNG(液化天然ガス)の輸入契約のためオーストラリアのパースに行った。その帰路、VISTAの一国であるインドネシアの首都ジャカルタを上空から眺める機会があった。私はもともと乗物好きで、鉄道では車窓からの景色が楽しみだし、飛行機では機内の冊子で、予め航空路を確かめ、興味のあるポイントは見逃さないようにしている。その日は、雨季の熱帯には珍しく快晴だった。陽がインド洋に沈んでしばらくして、飛行機はジャカルタ上空にさしかかった。十何年ぶりに見るジャカルタは以前とは見違うような明るさだった。マラッカ海峡にかけて点在する島々もオレンジ色の明かりに縁取られ、島の輪郭がくっきり見えた。変わりように、正直驚いた。
上空から見る夜の明るさはエネルギー消費のバロメーターでもある。産油国としてOPECに加盟しているこの国が、二○○四年に石油の輸出国から輸入国に転じたことを改めて思い起こした。
ところで、世界の人口は六五億。そのうち、欧米、日本などの先進国は二割の十二億。これに対し、BRICsとVISTAを合わせた九カ国は世界の人口の半分を占める。一方、人口比で二割に過ぎない先進国が、エネルギー消費では世界の過半の六割を占める。これに対し、BRICsとVISTAは、人口は先進国の二倍半もあるが、エネルギー消費は先進国の半分にとどまっている。一人あたりの消費量に格段の差があるからだ。しかし、このことは、これらの国々が発展すると、エネルギー需要が将来飛躍的に増加することを意味している。
昨今の原油価格の高騰は投機的要素も含めいろんな要因がからんでいるが、一番の根底には、これらの国々の需要の急増がある。エネルギー事業の一角のガス事業に身を置く者の習い性で、こんなことにも思いを巡らせながら、上空からの夜景を眺めた。
(次号4月号は、日本特殊陶業株式会社 取締役社長 加藤倫朗様にお願い致します。)


