歴史から学んだ教訓
大同特殊鋼株式会社 代表取締役社長 小澤 正俊(オザワ マサトシ)
| 昭和18年2月生まれ | |
| 昭和41年3月 | 京都大学 工学部冶金学科卒業 |
| 昭和41年4月 | 大同製鋼(現大同特殊鋼)株式会社 入社 |
| 平成 4年9月 | 同社 生産本部知多工場 副工場長 |
| 平成 8年6月 | 同社 取締役 知多工場長 |
| 平成12年6月 | 同社 常務取締役 |
| 平成16年6月 | 同社 代表取締役社長 |
| 現在に至る | |
昨年、弊社大同特殊鋼(株)は、創業90周年を迎えました。まさに、疾風怒涛の凄まじい90年ではありましたが、お蔭様で特殊鋼の世界では、世界に冠たる技術・技術集積商品・活力あふれる現場力を持った企業体に成長しております。事業規模は年商5 000億円弱の小粒ではありますが、不可能を可能にする一味違う挑戦する技術集団であると自負しております。
丁度、08年中期計画立案の際「どうして我が社がここまでこられたのか?」「なぜ、存在しているのか?」を我が社を創立した先達から学ぼうと思ったのがきっかけで、我が社の歴史をじっくりと精査してみました。
創業者は慶應義塾を創設した福沢諭吉の娘婿の福沢桃介という人物でした。彼は後に日本の電力王といわれた人物ですが、大同以外に大同電力(後の中部電力・関西電力)、富山の不二越などを創業した人物でもあります。また、浅野財閥の浅野総一郎にも影響を与え、利根川の上流に発電事業を起こす助言を与えております。
まず、彼の「鋭い先見性と機敏なる行動」には大変感動しました。先読みの見事さと同時に、挑戦する機会を見逃さない行動力です。
当時(明治の後半)は、都市部では火力発電が主流の時代に、水力発電事業を起こそう、さらにはその大容量の電力をいかに活用して国に貢献するのか?・・・
この課題に対して、自らの足で雄大な木曽川の上流まで分け入り、ここに大規模な水力発電所を建設しようと決断したわけです。
このあまりに大きなスケールの意欲溢れる構想と、果敢な事業への挑戦には本当に深い感動と尊敬を覚えざるを得ませんでした。また、あらためて研ぎ澄ました先読み、深読みの素晴らしさに感じ入ったところです。
自ら何事にも関心を持って、自律的に動き回り情報を得て、さらには迅速に行動していく。これこそが、物の重要性・物の価値を鋭く看破できる眼力が養われると、桃介は我々に教えております。
それに、自ら学び実行していく、形あるものに具体化していく実行力・行動力が特に経営者には欠くべからざるものだ、とあらためて学んだ訳です。
「歴史から教えを請うこと」「歴史を紐解くこと」は、特に行動を起こそうとするときには大変大切だと思っております。
(次号3月号は、東邦ガス株式会社 取締役社長 水野耕太郎様にお願い致します。)


