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「女性経営者の願い」

日進電気株式会社 代表取締役社長 鬼頭 昌子(キトウ マサコ)

日進電気株式会社 代表取締役社長
昭和18年12月 挺身隊として早卒業し、現在のノリタケにて陸海軍向けの砥石の営業をする
昭和19年3月 愛知県立第2高等女学校卒業
昭和20年9月 株式会社東京芝浦電気(現東芝)入社
昭和24年 同上退社
昭和47年11月 日進電気株式会社 代表取締役社長に就任
現在に至る
平成17年10月 平成17年度高圧ガス保安産業経済大臣賞受賞

 悠仁様のお誕生おめでとうございます。母子ともにお健やかであります様お祈り申し上げます。

 昭和47年11月に夫である前社長の急逝を受け、私が社長に就任して以来35年間、無事に社会的にも、また従業員に対してもずっしりと重い肩の荷をなんとか無事に果たすことが出来てまいりましたのは、皆様方のご指導の賜物と深く感謝しております。
 さて、当社は昭和27年4月にGEの冷蔵庫の出張修理と工場での引き取り修理業として那古野町に工場を借り、日進電気工業所としてスタートし、本年で55周年を迎えました。
 創業当時は生活のため、洋裁の仕立ての内職をしたり、化粧品のセールスをするなど大変な苦労もしました。こうした中、前社長が亡くなり、役員会にて私の社長への就任が決議され、会社の経営をしていくことになりました。「これまで20年間、前社長に尽くしてくれた従業員に対して命をかけてでも恩返しをしなくてはならない」「支えてくれた周囲の皆様へも恩返しをしなくてはならない」と思い、この大役を引き受けることに致しました。社内役員会議において、私から合理化対策として人員削減などの経営改革の意見を出しましたが、従業員から、「社長のお考えのとおり実行してください」との声もあり、ここから「命をかけて全てのことに挑戦する」という私の企業経営へ取組みが始まりました。
 サービス関連の仕事が急激に減少してきたことに対応して、金属家具の製造に進出して会社を支えようとしたところ、かなりの利益を出すことができ業績も安定してまいりした。お取引先を他社にもっていかれ危険を感じたときは、「よし!今に見とれ」と私は奮い立ち、「日進会」というお取引先の会を昭和51年に結成しました。この会は当社を援助してくださり、またお互いに勉強しながら現在も続いております。そして今では貴重な情報交換の場ともなっており大変感謝している次第です。
 最近は世界の中の日本ということで、グローバルな視点からの経営が必要とされています。中国と日本の賃金格差からくる製品コストについて、当社も年頭にイノベーション(改革)を経営方針に掲げ、各事業部の現場において、如何に改善をしてコストの引き下げを図るか、如何にムダを無くすか、について日夜考えております。何気なくいつもと同じ通りにやっていてはいけません。ムダを無くすための努力を実行していくことによって、企業が生き残ることができ、常に危機感を持ち、命をかけていくことによって、良い知恵が生まれ、達成の喜びもあると思います。
 社長に就任して以来、数々の出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡りますが、最高の喜びは、定年退職を迎えた従業員からの「40年間お世話になりありがとうございました。社長のおかげで子供も大学を無事卒業し、社会人となりました」との言葉です。これまでの苦しみが全て消え去る瞬間です。
これからは多くの団塊世代の従業員が定年退職を迎えますが、本人の希望があれば65歳まで再雇用をし、彼らが持つ知識と技術を若い世代に伝えていただき、これまで同様お互いに手を取り合って会社の発展と社会への貢献をしていきたいと考えておりますので、これからもご指導いただきたく宜しくお願い申し上げます。
 最後に人材育成について一言申し上げたいと思います。新聞紙上などで幼児虐待・いじめなどの問題が毎日のように取り上げられ、子を持つ一人の母親として大変心を痛めております。折角この世に生を受けてきた子供を大切に育てて日本の将来に備えて欲しいと思います。15歳までは人間形成の基礎となります。是非母と子のスキンシップを忘れず、良いこと、悪いことのケジメをつけるための勉強をさせ、将来へ向けての立派な人材を育てていくことが非常に大切だと思います。

(次回11月号は、名港海運(株)取締役社長 三輪尚治様にお願い致します。)