「テレビ番組にみる名古屋人気質(かたぎ)」
テレビ愛知 株式会社 代表取締役社長 佐藤 富雄(さとう とみお)
| 昭和19年 10月15日 東京都生まれ | |
| 昭和42年 3月 | 東京外国語大学 英米科卒業 |
| 同 年 4月 | 株式会社 日本経済新聞社 入社 |
| 平成 5年 3月 | 同社 東京本社編集局次長 |
| 平成 8年 3月 | 同社 東京本社マルチメディア局長 |
| 平成10年 3月 | 同社 取締役東京本社広告局長 |
| 平成13年 4月 | 同社 常務取締役 |
| 平成14年 4月 | テレビ愛知株式会社 顧問 |
| 平成14年 6月 | 同社 取締役副社長 編成本部長兼営業本部長 |
| 平成15年 6月 | 同社 代表取締役社長 |
| 現在に至る | |
最近、名古屋に関する書籍、情報があふれかえっている。いずれもなるほどと思わせるが、名古屋人の特徴をテレビ番組の視聴傾向から分析できないかと試みている。以下はまったく筆者の独断と偏見ではあるが・・・
テレビ東京系列で一番人気の高い番組はなんと言っても「開運!何でも鑑定団」である。常に視聴率は二桁、時には20%を超えることもある。この鑑定団はどの地域でも視聴率は高いが、愛知県は特に高い。関東地区に比べると2-3ポイント上回る事が多い。逆に愛知県だけ低かったのが、2001年からほぼ1年間にわたって合計48本放送した「男はつらいよ」つまり寅さん映画だった。48本の平均視聴率はテレビ愛知が6.9%、テレビ東京は9.9%。テレビ愛知で10%を超えたのは2本だけ、テレビ東京はなんと25本に達した。
この二つの番組ほど名古屋人気質を象徴している例はないのではないか。名古屋の人はおまけが好きで、何か得するもの、お値打ちかどうかに非常に興味を示す。それが物の価値が上がったり下がったりする鑑定評価が売り物の「鑑定団」人気につながっている。価格に対する厳しい目を持っているともいえる。もちろん信長、秀吉、家康の三英傑を輩出した土地柄であり、先祖代々のお宝が多いのも理由のひとつだろう。
名古屋では持ち家比率、車の所有台数、貯蓄率などが高い一方、クレジットカードの利用率、負債率が低い。夜も早くどちらかというと都会型より農村型といえる。堅実で質実剛健の気風にはフーテンの寅さんはなじまないのかもしれない。失業率が上がり、町にホームレスがあふれる時代に寅さんはびっくりしているに違いない。
このほか、住宅や旅番組、演歌、時代劇などの視聴率が比較的高いのも名古屋のもうひとつの側面だ。当系列では「いい旅夢気分」などの番組があるが、北海道や九州と比べると3ー4ポイント視聴率が高く、東京とほぼ同じで二桁の視聴率をよくとる。
ほぼ日本の真中に位置している愛知県は東に行くにも西に行くにも便利であることと、車の所有台数が高いことなどが背景にあるのではないかと思う。当社でも土曜日夕方に主に東海三県を対象にした「遊びにいこっ!」という番組をやっているが、そこそこの視聴率をあげる長寿番組になっている。
名古屋人は総じて教育・教養・実用的な番組を好み、こうした番組は他地区と比べて視聴率が高い傾向がうかがえる。実生活に役立つかどうかという視点でテレビ番組を見ている人が多い。その証左のひとつとしてミステリー番組の視聴率の低さを指摘する新聞記事があった。いくらミステリーを見ても実用的ではなく、何の役にも立たないからだというのである。当系列でも看板番組として「女と愛とミステリー」という番組をやっているが、このところ視聴率は二桁を割り低迷している。他地区では好調が続いているので、これも名古屋人の特性が次第に反映されるようになってきたのかなと心配している。
(次号5月号は、株式会社 三越 名古屋カンパニー社長 根本 武夫様にお願い致します。)


