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「食べ物雑感」

愛知電機株式会社 代表取締役社長 木野 文海(きの ぶんかい)

愛知電機株式会社 代表取締役社長
昭和11年12月22日生まれ
昭和34年3月 慶応義塾大学 法学部卒業
同 年 4月 中部電力株式会社 入社
昭和60年7月 同社 総務部長
昭和62年7月 同社 支配人 総務部長
平成 元年6月 同社 取締役 総務部長
平成 5年6月 同社  常務取締役
平成10年6月 同社  代表取締役副社長
平成13年6月 愛知電機株式会社 代表取締役社長
現在に至る

 今は昔、第二次世界大戦の戦中・戦後の日本は食糧難で、飽食が夢だった。
 今、日本の食糧自給率は40%と低いものの、物は豊富で、美味い物が容易に手に入る誠にありがたい時代である。
 ひもじかった少年時代、鳴門巻と海苔と刻み葱が浮いているだけの支那そばが、大変なご馳走であった。その支那そばに叉焼と卵とメンマが加わって、中華そばに変身し、今では○○ラーメンと大進化を遂げた。
 ラーメンは、スープに味噌、醤油、塩、鶏がら、豚骨、昆布、煮干……、具に肉、卵、魚介、野菜、海藻、……とバリエーションに富み、しかも誠に安直な料理である。
 日清食品の安藤社長が三田評論三月号で、「ラーメンというのは、実はご飯と味噌汁とおかずをすべて一緒にぶっ込んだような、横着と言えば横着な料理、オールインワンの料理なんです。つまり、ご飯のかわりに麺があって、味噌汁のかわりにスープがあり、おかずのかわりに具材が入っている。一つですべてを満たそうというものなのです。」と述べておられたが、さすが専門家らしい解説である。
 進化した食べ物は多い。
 うどんと豆腐は、昔は店によって味に大差があり、わざわざ遠くの店まで行ったものだった。今ではどの店でも差が無くなったが、これなどは完熟した食べ物になったからであろうか。
うどんと較べ、蕎麦の味は代り映えがしない。むしろ昔の方が美味いと思うことが多いが、これは国産の蕎麦粉が入手難となっているからであろうか。
 今、流行の焼酎。これは進化と言うより変化したと言いたい。
 四十数年前、博多で酒を注文して、出された徳利の中身はなんと焼酎。友人の「九州で酒と言えば、前日から水と馴染ませた焼酎を燗して出す。日本酒と注文すればお望みの酒が出てくる。」との解説が懐かしいが、今では全国商品だ。
 昔ながらの芋臭い焼酎もあるが、限りなく水に近い味の品が多くなったのは、人の好みを反映してであろうか。
某酒屋さん曰く、「焼酎ファンが増えて売れ行き好調。日本酒党はまずビール、それから日本酒で、二次会はウィスキーの水割り。焼酎党は最初から最後まで焼酎。飲んでいる時間が長いから焼酎の売上がさらに伸びる。昨年は冷夏で、原料の赤芋が不作のために品不足となったが、今年は暑かったので、3M(魔王、村尾、森伊蔵)でも容易に手に入るのではないか。」とのこと。
  趣味の釣の獲物で、干物や燻製を作ることがある。作るのに手間がかかるが、食いしん坊は創作意欲にかられて、結構楽しんでいる。スーパーで売っているものとは格段に差があると、自負している次第である。
 スーパーの干物は塩辛いが、漬物は逆に甘い。漬物もやはり自家製に限ると家内をおだてている昨今である。

(次回10月号は、野村證券株式会社 常務執行役 松本 学 様にお願いいたします。)