「『壁』の話」
タキヒヨー株式会社 代表取締役社長 滝 茂夫(たき しげお)
| 昭和26年8月18日生まれ | |
| 昭和49年 3月 | 慶応義塾大学法学部卒業 |
| 昭和49年 4月 | モビリア株式会社入社 |
| 昭和61年 4月 | タキヒヨー株式会社入社 |
| 平成 元年 5月 | 同社 取締役就任 |
| 平成 2年 9月 | 同社 常務取締役 アンクライン ダナ・キャラン部門担当 |
| 平成 5年 3月 | 同社 取締役副社長就任 |
| 平成 6年 3月 | 同社 代表取締役副社長就任 |
| 平成 6年 5月 | 同社 代表取締役社長就任 |
| 現在に至る | |
皆さんは、こんな経験有りませんか?
自分が、伝えたいと思って一生懸命話をしているのに、相手には全然伝わっていないと感じたり、相手の目を見ると、全く異なった意味と意識で受け取っているな、と感じる時。
相手が必死になって話をしているのに、自分は妙に醒めていて、相手の話が空疎に感じられる時。また、それとは反対に、自分は最初全く興味や関心が無かった筈なのに、いつしか相手の話に引き込まれて真剣に聞いてしまっている時。コミュニケーションと言うのは摩訶不思議なモノです。
「バカの壁」を読みました。読み始めは「読み易いなコレは、ウンウン、そ〜だそ〜だその通〜り」と思った訳ですが、二十ページ辺りから「う〜ん」と感じだしました。久し振りに短編でしたが読後、心に残った本でした。尚且つ心に残った言葉は、本の言葉ではなく自分で感じた言葉だった事が、自分では、とても満足で、充実した本でした。
そもそも、認識の壁は物心ついてから、意識の壁は自我を作り始めてから、人間はせっせと積み上げ続けている訳で、そんな大変な物を壊せるのは、神様か、盲目的な愛情か、宗教心位しかありません。ましてや一般的な社会生活の中で「壁」を取っ払ったり、壊すなんて事は、とてもとても…
第一、壁の存在を理解、自覚している人なんて殆んどいないのが現実ですし…
とまあブツブツ言わずに話を進めると、今日、私達の廻りには情報が溢れています。全ての情報を吸収する事は不可能ですし、吸収した情報に全てアウトプットを出す事も出来ません。現在の自分にとって、必要な順に情報を吸収し、最適のタイミングで、最適の相手にアウトプットを出す事が求められています。しかし、私達には、ここに「バカの壁」が居座っているのです。
情報を入手する際にもフィルターを掛けますし、頭の中で処理する際にも勝手なシステムを押し付けますし、アウトプットの際には自分の価値観の詰まった言葉で伝えます。これを生まれも育ちも違う他人が理解納得するのは至難の技と言えるでしょう。出来得るならば、壁の存在を自覚して、情報入手と処理の際には、偏向の無い対応を行ない、決断した後のアウトプットは相手の持つ価値観に合致したプレゼンテーションをしたいと思います。でも一人対一人ならともかく、一人対大人数となると…
そこで最初のコミュニケーションの話に戻ります。何故、伝わったり伝わらなかったりするのでしょう。キーワードは「気持ち」だと思います。必ず相手の為になる、役に立つとの思いや、自らを理解してもらいたいと言う強い意志が相手に伝播するのだと思います。相手の感情や立場を考えた上で、自分の意見を平易な言葉で簡潔に熱意を持って伝えるコミュニケーションを心掛けたいものです。
(次号は、アイホン 代表取締役社長 市川周作様にお願い致します。)


