「みそと日本人」
マルサンアイ株式会社 取締役社長 下村 釟爾(しもむら はつじ)
| 昭和13年11月24日生まれ | |
| 昭和36年3月 | 東京教育大学 体育学部 卒業 |
| 昭和42年2月 | 岡崎マルサン 入社(現 マルサンアイ梶j |
| 昭和62年12月 | 同社 取締役 |
| 平成7年12月 | 同社 取締役副社長 |
| 平成8年12月 | 同社 代表取締役社長 |
| 現在に至る | |
日本人の食生活に「みそ=味噌」ほど深くかかわりあいのある食べ物は他にない。
『すでに世界に名を馳せた感のある「しょうゆ=醤油=ソイ・ソース」も実は「みそ」の歴史の中から生まれたものであって、日本の醸造食品の淵源をなすものは、酒と「みそ」であったことは間違いない。』この書き出しで始まる「みそ文化史(2001年4月1日 全国味噌工業組合連合会発行)」をみても日本人とのかかわりあいは深く「みそ」という食べ物の名前を知らない日本人はまずいないであろう。
一昨年6月14日名証2部へ上場の折に投資家(一般・機関含めて)への弊社のIRを行った際に、「みそ」は身近な食べ物であるにもかかわらず、意外なことにメーカーが「みそ」についての知識を知らしめていなかったことを知った。みそ作りに携わる者として、反省を込めて本欄への執筆の機会に述べさせていただきたい。
一口にみそといってもみそほど種類の多い食品は少ない。分類法も色によって分けるもの(赤みそ・白みそ)、味によって分けるもの(甘口みそ・辛口みそ)、こうじの種類によって分けるもの(米みそ・麦みそ・豆みそ)、こうじ粒の有無によって分けるもの(粒みそ・こしみそ)、産地によって分けるもの(江戸みそ・仙台みそ・越後みそ・信州みそ・津軽みそ・佐渡みそ・西京みそ)等の分け方がある。このうち豆みそ圏は愛知・岐阜・三重を中心とした中京圏でしか使われていない。豆みそは呼び方もいろいろあり愛知豆みそ・三州みそ・八丁みそ・東海みそ・伊勢みそ等の呼び方となっている。そして豆みその代名詞となっている八丁味噌は、もともとは企業名であるが、そのまま愛知県産みその代名詞として全国に名を轟かせている。
また、我々中京圏で育った人々は、みそは全国で豆みそが一番多く使われていると思っている人が多いが、全国の約80%が米こうじと大豆、塩で作った米みそ、約15%は麦こうじと大豆、塩で作った麦みそを使用しており、その地域は中国地方、四国地方、九州地方が主な消費地となっている。豆みその使用地域は上記の通りであるが、残り5%前後の消費量となっている。米みそ圏、麦みそ圏の人々もそれぞれ自分の食べているみそが全国で使われていると思っている人が多いことも知らされた。この様な状況もあり「手前みそ」という言葉が生まれてきたのであろうか。
最後にみその起源を尋ねてみると、日本民族の発明品か、中国の醤を輸入しそれに改良を加えて現代のみそになったのかはっきりしていないが、醤が日本に伝来したのは今から約1,200年前、鑑真和上が来日した際に献上したのが最初であり、初めは天皇、貴族の食べ物で鎌倉時代に僧侶の精進料理、室町時代に兵士の兵糧として利用され、桃山時代には懐石料理に使われ発達したのち一般庶民の常食となったものといわれている。
(次号は、且O晃社 取締役社長 川村 悌弐 様にお願いいたします。。)


