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「東京・大阪・名古屋」

株式会社中京銀行 取締役頭取 末安  堅二(すえやす けんじ)

株式会社中京銀行 取締役頭取
昭和19年2月23日生まれ
昭和42年3月 横浜市立大学商学部 卒業
昭和42年4月 (株)東海銀行 入行
平成 8年 6月 同行 常務取締役 大阪支店長
平成10年5月 同行 常務取締役 本店営業部長
平成12年4月 同行 専務執行役員
東京営業カンパニー長
平成14年6月 (株)中京銀行 頭取

 自宅の横に空地があれば、東京の人は庭にして楽しみ、大阪の人はそこで商売をする。そして名古屋の人は蔵を建てるという。3地区の気質の違いを一言で表わす譬え話として気にいっている。
 昨年、中京銀行へ転じ生活基盤は安定したが、これまで通算して東京で8年、大阪で12年、それぞれ3回ずつ勤務し、転居も17回を数えた。
 いづれの地でも多くのお客様に恵まれ、数多くのご指導、ご交誼をいただき、どうにか一人前に育てていただいたとの思いで一杯であるが、併せそれぞれの土地柄に触れることができたのも、楽しく貴重な経験であった。
 東京、大阪、名古屋を3まわりした中で、ビジネスを通じて感じた私なりの印象を独断をお許しいただいて記してみたい。
 大阪は、本音の街であり、商売という言葉が似合う。
 上場企業も含めオーナー色を残している企業が多いことも一因か、課長時代でも認められれば経営トップが気軽に対応していただき、良い提案があれば取引ランクに拘らず受け止めていただける風土は、大きなビジネス・チャンスを得る可能性を絶えず秘めておりやり甲斐のある街であった。
 また、商売という言葉には、本音でのやりとりの中、お互いに通い合う人情がその裏に含まれていると感じたことも多く、如何にも大阪にふさわしい。
 東京は建て前の街であり、ビジネスという言葉が似合う。
 各社とも組織で動く体制が定着しており、また役職の肩書きも大切にされる。担当時代は決裁権限のあるほうとどうすれば接点がもてるのかいろいろ考える中で、一歩づつ成長しきた様に思う。
 一方で、社内だけでなく取引先との関係においても、秩序や枠組みを尊重していく風土は、安定感がありかつ機能的でもあるところから、ビジネス社会と呼ぶのか似合う。
 名古屋は、よく商売が難しいと言われるが私にその実感がない。
 東西企業の人がそう感じるのは、貯蓄率の高さにも代表される堅実な気質と、取引先との関係というだけでなく、コミュニティの一員としての関係も大切にする風土によるものではないだろうか。
 もともとコミュニティの一員である私たちの立場で、実感がないのは当然なのかもしれないし、あるいは名古屋について他地域との比較のおいて語る資格はないのかも知れない。
 3地区での生活に私自身いづれも全く違和感はなく、それぞれの風土の中で公私にわたり多くの出会いを持つことができたことは大変幸せであったと感謝している。
 銀行業は、産業界の発展にとって主に資金面からお手伝いする裏方的存在であり、また換言すれば、産業界のインフラ的立場としての使命を担っており、厳しい環境が続く中一層その責務は重くなってきていると思う。
 地元金融機関として、キミュニティの一員としての温度感をしっかり持った銀行づくりに全力をあげて取組んでいきたいと考えている。また、その中で新たな出会いを大いに楽しみにしている。