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「改革に必要な事」

株式会社東郷製作所 取締役社長 相羽 繁生(あいば  しげお)

昭和30年4月 愛知県生まれ
昭和55年3月 名古屋大学大学院工学研究科卒
昭和55年4月 トヨタ自動車工業株式会社入社
平成02年9月 株式会社東郷製作所入社
同時に取締役就任
平成04年3月 専務取締役に就任
平成08年3月 取締役副社長に就任
平成10年3月 取締役社長に就任
現在に至る

 景気の見通しが見えない経済環境の中、生き残りをかけ、各社は改革に取組んでいます。
 当社も、経営改革に取組んでいますが、種々な改革を見るにつけ、私は改革には3つの条件がいるのでは、と考えます。
 企業のトップとして、厳しい企業環境を乗り越えるため努力をしておりますが、他人事ではすまされないものがあります。自戒を込めて勝手な意見を述べてみたいと思います。
 他人の事はよく見えますが、我が身はなかなか見えず、不安は募るものの、忙しさに追われ、改革への扉をしまいがちです。
 トップに立つ人は「やり遂げる覚悟」をいかに明確な形で従業員の末端まで示す事が出来るかが鍵を握ります。なぜなら、社員は社長をどの程度本気で取組んでいるのか、ジッと見ている事を痛切に感じます。よく引合いに出される逸話に、西暦1066年、フランスから手勢わずか1万5000人で英国に攻め入ったウイリアム征服王の話があります。彼は、ノルマンディーからイギリス本土へ向かいますが、ドーバー海峡を渡り終えると、乗ってきた船を海岸で焼き払うよう部下に命じ「もはや前進あるのみ、私も諸君と運命を共にする」と宣言し、兵士達の奮いたたせることで、150万の兵員を擁するサクソン軍を打破り、ノルマン王朝を樹立させました。
 まさにその通りですが…
 次に、大事な事は、構造改革(企業も同じ)を断行するには、自分の思いを実行に移すために周到な組織準備が必要であります。まず、自分にとって有能な参謀(馬が合う)ではなく、企業にとって有能な参謀を配置し、反対する組織・人を説得できる強い組織が必要ではないでしょうか。とは言うものの、組織を良く見ておりますと「様子をみよう」とする人々(勢力)が如何に多いかがわかります。トップとして腹を括った以上、一刻も早く、無理をしてでも、成功に事例を創る事が抵抗勢力を味方に取込む道ではないでしょうか。
このタイミングを逸すると、トップへの信頼はなくなり、いろいろ手を打っても思うように改革が進まない事がよくわかりました。緻密な計画、組織には限界があります。いかに反対する勢力、人間を如何に味方にするかではないでしょうか。
 更に、近頃特に感じる事ですが、専門家をいかに活用するかが変化の激しい企業環境、スピード経営、革新経営には考慮しなければならない事ではないのでしょうか。一般に、「素人でも何でもできる」という風潮は間違いではありませんが、「もちはもち屋」の通り、専門家に任せる事も必要と考えます。残念な事に、私共の身の回りには自分の殻に閉じこもって閉塞状態に陥っているケースが多いのではないでしょうか。小生は社員に1つ以上の専門を持ちなさいと提唱しています。
 近年、企業倫理に反する行為が取り出されている状況を踏まえ、トップ自ら真摯に経営に取組み、企業の社会的使命をまっとうすることが経営者に問われているのではないでしょうか。
 まず、第1に、「やり遂げる覚悟」を社員に明確な形で示す事。第2に、自分の思いを実行に移すための周到な組織体制としゃにむに成功事例を創り、味方を多くする事。第3に、社内の専門家(含む養成)、社外の専門家を上手に活用することではないでしょうか。
 若輩の生意気な言い分ではありますが、構造改革には上記の3つの条件が必要ではないでしょうか。
スピードを要求される現在、何でも自分でやる時代は終焉し、ネットワークを活用し、専門家を上手に活用したいものです。

(次号11月号は、トヨタL&F中部梶@取締役社長 古田公徳 様にお願いいたします。)