特集 「仕事に対するモチベーションの向上」
今回の特集では、「仕事に対するモチベーションの向上」をテーマとしてこの課題について考えます。企業の競争力を向上させていくためには、社員の持てる能力を最大限に発揮させることが重要で、そのためには社員の仕事に対するモチベーションをアップさせていくことが不可欠です。そこで、社員のモチベーションを向上させ、企業に貢献できる人材へ育成していくために何をすべきかについて、次の2名の専門家にご執筆いただきました。
PART1では、勝呂 彰氏(株式会社リンクアンドモチベーション 取締役)から、『働く人のモチベーションアップが企業競争力の鍵』をテーマに、PART2では、嶋 基裕氏(株式会社アイランド・ブレイン 代表取締役社長)から、営業社員のモチベーションアップの方策についてそれぞれ解説していただきます。
<PART1>
働く人のモチベーションアップが企業競争力の鍵
〜モチベーションをマネジメントするための9つの効果〜
株式会社リンクアンドモチベーション 取締役 勝呂 彰
はじめに
コンサルタントという職業柄、顧客企業の社員の方に話を伺う機会が多いのですが、最近「何のために働いているのか分からない」という人が増えていると感じます。以前は「物質的な豊かさ」を得るため、「働いて稼ぐ」ことが当たり前でしたが、近年稼ぐこと以外の「働くことの意味づけ」を求める人が 増えています。職場ではこうした多様化したモチベーションに対応していかなければならないわけです 。
モチベーションの公式 〜「目標の魅力」×「達成可能性」×「危機感」〜
モチベーションアップの方法は以下のように記述できます。
モチベーションアップ=「目標の魅力」 ×「達成可能性」×「危機感」
ビジネスの場面においては、たくさんのステークホルダーが存在し、また複雑に経営資源が絡みあいます。解決する課題は簡単なものばかりではないのですが、この原理原則とでもいえる「3つの要素」をバランスよく高めることで、モチベーションを高く保ち、仕事に取り組むことができます。私どもの研修事業で提供するプログラムのひとつでは、3つの要素を9つの「○○効果」に分けて学んでいきますが、ここではそのエッセンスを一部ご紹介したいと思います。
目標の魅力 〜達成したときに得られる報酬の魅力〜
「魅力ある目標」の例として、よく引き合いに出されるのは、1961年5月のアメリカ議会でのケネディ大統領の有名な演説です。「60年代末までにアメリカは人類を月に着陸させる」という、アポロ計画が宣言されました。
この短くも力強いメッセージで、アメリカ国民は奮い立ったといわれています。この宣言の通り、1969年7月にアポロ11号は月着陸に成功します。
この例からも分かるように、すぐれた目標は「分かりやすく」「人をわくわくさせる」ものです。このように目標そのものに魅力がないといけないのですが、より効果的にその魅力を伝え、引き出す方法があります。
@「ラダー効果」 〜業務を上位の目的や意味によって意味づける 〜
日々、飛び込み営業をしている新入社員に対して、「とにかく飛び込め!」と言うのと、「多くの人との出会いがキミの成長につながる」「我々を待っている顧客にめぐり合おう」と言うのとでは、彼らのやる気が大きく変わってきます。
ラダーとは梯子(はしご)のことです。梯子段を上がるかのごとく、ものごとの抽象水準を高め、現在の業務や仕事を別の観点、別の視点から意味づけることで、その仕事を成し遂げた時、達成したときにどんな魅力があるのかを、従業員に説明することができます。
A「オプション効果」 〜報酬を選択できる〜
達成時に得られる報酬を複数の「オプション」の中から自分自身で選ぶことができる状態を作ると、モチベーション向上に効果があります。
あるソフト制作会社では、目標を達成すると「次のプロジェクトで一緒に働きたい人を指名できる権利」「職場で“生物”を飼える権利」などたくさんの選択肢から好きなものを選ぶことができます。世の中の人事制度も、フレックスタイム制、裁量労働制、福利厚生のカフェテリアプラン、退職金の有無など、選択肢が広がったのは周知のことです。
これらは、何を選ぶかを「自らが決断している」というところが鍵です。自らが決断することで、その行動に強く責任を持ち、その選択が正しかったことを証明したいという欲求が働くのです。結果的に、「自分の選択は正しいんだ!」という納得感が生まれていきます。
Bスポットライト効果 〜賞賛する機会を設ける〜
人は誰でも他者から注目されたい欲求や自己愛を持っています。何かを成し遂げたときに、「スポットライトを浴びる」かのごとく、周囲から認められる場や機会を設けることが有効です。
表彰式といった派手な場面を積極的に作る方法もあるでしょうし、それほど大きな仕掛けでなくても、日常の仕事の中で光を当てることができます。
例えば、そのシーンをカメラにおさめて社内報や部門報で紹介したり、そのエピソードを社員総会や管理職会議の場で社長自らが紹介するなど、その登場のさせ方は幾通りでも考えることができます。
危機感の醸成
「うちの若手、危機感がないんだよ」?。企業に伺ったときに、よく耳にする嘆きの声です。「危機感の欠如」は多くの会社が抱える悩みです。
「このままではまずい」「何とかしないと」という意識を強く持った個人や組織が発揮する力は想像以上のものです。「火事場の“バカ”ぢから」ではないですが、こうした危機意識は人の「やる気」に大きく影響を与えています。
C周囲とのかかわりを意識させる 〜 リンク効果 〜
「社会的手抜き」というコトバを聞いたことはあるでしょうか?こんな昔話があるそうです
「ある村で、新築の家のお祝いをすることになった。貧しい村だが、皆の気持ちを伝えようと、1つの革袋に各軒、お酒を一杯ずつ入れて持っていこうと。宴席でそのお酒を注いでみたら、何と真水だった。」全員が「自分以外のみんなが、ちゃんとお酒を入れるだろう」と思ってしまったわけです。このような「手抜き」を起こさせないための工夫としては、大勢いる全体に要望するのではなく、「少人数に」説明することなどが挙げられます。一人ひとりの関わりの度合いを高めるわけです。
また、自分が担っている役割が周囲とどのように連関しているか、「リンク」していることを理解・実感してもらうことも重要です。「自分がちゃんとやらないことで、多くの人に迷惑がかかる」ことを、本人に認識させるのです。会社によっては、お客様相談窓口を生産部門や開発部門の社員に経験させたり、部門間の「交換留学制度」を設け、「リンク」の実感をさせています。
D他の人には負けたくない! 〜 ライバル効果 〜
誰でもが多かれ少なかれ持っている、「勝ちたい」「負けたくない」という気持ちに火をつける「ライバル効果」と呼ぶ方法があります。
「同期」や「社会人経験がほぼ一緒」といった、目に見えるライバルが周囲にいなければ、ライバルを設定してあげることが大切です。他部署の人材かもしれませんし、当事者同士は先輩・後輩と思っている間柄ということもあります。
営業会社では、よく職場に「営業成績」のグラフが貼ってあるのは典型的な例でしょう。私どもの会社では、2人の「好敵手」に共通のテーマでプレゼンテーションをしてもらい、聴衆である他の社員が投票して優勝者を決めるようなイベントも行っています。
E周囲への宣言 〜 コミットメント効果 〜
ライバル効果は「他人に負けたくない」という意識に基づくものでしたが、「自分に負けたくない」という側面に光を当てたものとして、「周囲にやるべきことを宣言して、それを必ず成し遂げるべく頑張る」という、「コミットメント(=確約)」があります。
人は、自分の「行動に対する一貫性」を取ろうとします。自ら態度を表明したことに対して、矛盾した行動を嫌います。言ったことが実現できない、できなかったことについて言い訳するのは、さらに格好悪い。そうならないように、何とか宣言したこと、周囲に約束したことを達成しようと力を発揮するのです。
メンバーのやる気を高めようと思うときには、朝礼でもメールででも、周囲に対して宣言・約束をさせ、その実行・達成状況を皆でモニタリングする、というのは一定の成果につながるわけです。
達成の可能性 〜 目標を決めるときに大切なことは? 〜
目標を決めるときに大切なことは「目標が目標として機能すること」です。つまり、到達不可能なほど難しくても、すぐに達成してしまってもだめで、「将来の状態が不確定で、それが実現するかしないか」が分からないからこそ、目標になり得るわけです。
適切に目標が設定されたとしましょう。その後も、目標達成に向け、本人が努力するのはもちろんのこと、上司もまたその可能性を最大限に高めなければなりません。ゴールに至るまでのプロセスを一緒に適切に描き、その途中途中で、本人の能力を最大限に発揮させるための働きかけが必要になります。
Fフィードバック効果 〜 本人への適度なアドバイスが気づきを促す 〜
スポーツなどで自分自身のフォームを、ビデオや写真に撮ってチェックすることがあります。肘が曲がっているとか、ボールから目が離れているとか……「つもりの自分」と「実際の自分」は大きく違います。
職場では、周囲のマネジャーや同僚が、「鏡」のような存在で、本人が気づいていない「クセ」に気づくことが多々あります。
例えば、「しゃべるとき、“えーと”っていうのが多いよ」といった日常のクセを指摘することもそうでしょうし、「いつも、ものごとを考えるとき、リスクを考えないよね」といった思考のクセを指摘することもあるでしょう。
このとき大切なことは、“即時”のフィードバックです。気づいたその場で、時間を空けることなく、伝える。互いに記憶が鮮明なうちに共有することがとても大切です。
Gナレッジ効果 〜 互いの経験の中からの気づきを得る 〜
ナレッジマネジメントというと、データベースを作り、そこにナレッジを蓄積・整理して活用する…というのが一般的でしょうが、もっとアナログな「勉強会」でも効果があります。
少々の“遊び心”や“ゲーム性”で面白い場が設定されます。
あるシステム会社では、「ミスコン」という名の「ミステイクコンテスト」をやっていました。「みんなにとって、最もためになる失敗をした人を表彰する」もので、成功事例の共有よりも強烈なインパクトがあります。誰かのミスをみんなの共有財産にする。そして、同じ失敗を繰り返さないように、互いのレベルを高めていくという大変面白い試みです。
Hロールプレイング効果 〜 他者の視点に立つことでの気づきを得る 〜
ずっと同じことをやっていると、新たな気づきを得るのが難しくなるものです。「ロールプレイング」というのは、日常とは異なった、別の役割(ロール)を擬似的に演じる(プレイ)ことで、新たな気づきを獲得させる方法です。
テレビで「社長が2週間だけ交代する」というアメリカの番組を紹介していました。 男性だけの“スパルタ式”自動車販売会社の男性社長と、若い女性社長が経営する女性だけの“自由奔放な”会社が舞台で、双方とも、当初は社員との間には軋轢(あつれき)があったものの、最終的には成果に結びつき、何よりも2人の社長が新たな発見をしていたのが印象的でした。
普段の生活でも、自分自身が何かに悩んでいるときに、「誰々ならどう考えるだろう?」と自らの視点を飛ばせる存在の人を、常日頃から2、3人を頭の中に置いておきます。その人なら、何を考え、どのような行動をとるかをイメージして、自分自身の言動を決めることで新たな方向が見えたりするものです。

重要なのは信頼 〜命綱を握る〜
モチベーションを高める方法をいくつか述べてきましたが、最後に重要な観点を一つだけお伝えしたいと思います。言い古されたことですが、「上司と部下との信頼関係」が構築されているか否かが、全てのベースです。メンバーも上司のことをよく見ていますから、小手先でだますようなつもりでは、何をやっても見透かされてしまいます。
上司自身が本気で周囲との「信頼」というインフラを育て、ひとりひとりのモチベーションに向き合っていただきたいと思います。
<PART2>
「営業マンのモチベーションアップ」 〜営業は才能ではない〜
株式会社アイランド・ブレイン 代表取締役社長 嶋 基裕
営業職は技術職
営業という仕事は誰でもできるように思われがちですが、実に奥深いものです。私は営業職=技術職と考えております。営業には対人スキルを始め多くの技術が隠されており、その技術とは大きく分けて7つの工程に分けることができます。1アプローチ・2訪問・3再訪問・4クロージング(契約)・5顧客フォロー・6アップセル(重ね売り)・7紹介です。この工程はいわゆる営業技術と呼ばれるものです。1〜4は主に新規取引先開拓を指し、5〜7は主に既存のお客様への対応です。営業マン(注 営業マン=男女の営業職を指します)の理想像は、7の紹介営業のみで営業活動が成り立つ様になることです。そうなる為の営業職の環境を作らなければなりません。
モチベーション環境の構築が重要■
現実を見ると営業職の離職率は他の職種に比べどこの会社でも高い比率を占めています。
それには理由があります。企業として営業職への軽視と営業職環境設定の不足によるものです。
営業職は気合いや根性で行うものだと言われた時代がありました。しかし、企業内で営業職への対応がこのような状態が続く限り離職率の低下を食い止めることは出来ません。なぜならば営業職は技術者だからです。
読者の周りにいらっしゃる新人の技術者をイメージして下さい。その技術者に気合いや根性でスキルを高めなさいと指導しますか?IT技術者であれば基礎を学ぶ為の環境を用意しませんか?大工であれば現場で親方が数年間掛けて指導しませんか?営業職にも同じ事が言えるのです。営業の基礎がない社員に気合いや根性で仕事を行えとどれだけ言っても結果は出ず、本人の自信を喪失させ、最終的には結果が出ない責任を取り退職に追い込まれていくのです。このままで良いのでしょうか?私はこう考えます。営業マンに結果を求める前に、企業内の営業職環境を構築する必要があると。
図1にありますように、営業職にはモチベーションを保つ環境(モチベーション環境)が必要です。この環境とは、給与体系・雇用形態・職場環境・教育環境・指導者など営業職の人が最低限安心して働ける環境と正しい指導を受けた指導者(大工で言えば親方です)が必要になります。最低限この環境がなければ営業マンのモチベーションを保つことは出来ません。営業マンは他の技術職と違い人と人との繋がりによって成り立つものです。どれだけ対人スキルが高い人であっても相手が人である以上、人間関係の悩み(精神的なもの)は絶えず起こります。特に新人営業マンは今まで出会ったことのない人間(性格・年齢)と接することが多くあり、正しい指導者の元で学習をしなければ、優劣を判断する能力すら身に付けることが出来ません。多くのビジネスパーソンの悩みは人間関係(社内・社外共)にあることも読者の方であれば理解して頂けると思います。これだけ精神的に過酷な職種はそうありません。だからこそ環境が重要になります。営業マンのモチベーションアップを上げる最適な方法は環境整備です。
モチベーションアップの方法
読者の方の中には環境が既に整っている企業もあると思います。次にモチベーションアップを行う方法は図1にあります様に、営業論・営業のプロセス・自己管理を考える必要があります。
営業論は自社の営業とはこういうものだ、という定義(ルール)を作る必要があります。例えば、お願い営業は絶対にしない・新規営業は行わず既存顧客からの紹介で行うなど自社の営業に対するルールを明確にしなければなりません。これは、経営側が作るべきものです。ある企業様ではこんなことがありました。
「会社はどんな方法でも良いから今月の売上げ目標を達成しろと月次の会議で言いました。更に、毎日売上げを厳しくチェックし、なにがなんでも達成しろと言いました。そこで営業マンが思いついた方法は、あることないことを言い、お客様を騙し目標達成の為に強引に販売したのです」
貴方ならこれをどう考えますか?これは実際にある企業であった事実です。営業マン個人の問題でしょうか?違いますね。これは、企業体質の問題です。この事例は極端と思われますが、意外と皆さんの会社内でも今現在既に横行している可能性は否定できません。
なぜなら、このような問題は隠され続け大きな問題となってからしか表面化することがないからです。こんな問題が表面化してからでは既に時遅しです。今から改善の着手をお勧めします。営業マンのモチベーションアップどころではなく、企業存続の危機になるかもしれません。
話は戻りますが、このような理由で自社の営業論という定義(ルール)を作ることが必要です。このルールがあるからモラルある営業マンが育ちます。営業マンも会社の為に働く気持ちになりモチベーションも更に高まります。
次に、営業のプロセスを明確にしましょう。営業には前述したように1?7の工程があります。この工程を明確にすることで営業マン個人が自分のどこに問題点があるのかを早期発見することが可能です。営業マンは悩みの多い職種です。しかも、原因解明が難しい職種です。自分に問題があるのか営業相手に問題があるのかわかりづらいものです。その時に指導者も必要ですが、指導者は全てのプロセスをチェックする時間を取ることは難しいので、この時にマニュアル化された営業のプロセスが大きな役割を担ってくれるのです。営業マン各々が自ら問題を発見し、自発的に改善を行う人材が育っていきます。
最後に自己管理能力を高めるための教育をすることが必要です。自己管理とは目標設定・時間管理・体調管理を指します。営業職はとても自由度が高い職種です。これが魅力でもありますが、逆にマイナスへの誘惑ともなります。その為にも高い志を植え付け(目標設定)、時間管理の重要性を教え(時間管理)生産性を高めなければいけません。そして、体が資本です。体調管理への注意を促すことも必要です。
営業マンのモチベーションを維持し、アップしていくためには、上述のようなモチベーションアップのための環境整備などを会社から提供することが必要だということを各企業様へ営業コンサルタントとしてお伝えしています。こうしたベースがあるからこそ、営業技術を身につけることが出来ますし、最後の粘りで精神力の勝負となる時に気合いや根性論が活きてくるのです。
もう一度営業職の価値を見直して頂けたら幸いです。
以下では、各企業における営業マンのモチベーションアップの取組みの中で成功された事例をご紹介します。
〈P社様の事例〉(賃金体系の改革によるモチベーションアップと売上げ向上)
P社様においては、営業は成績を上げれば多く稼ぐことができるし、成績が上がらなければ賃金が少なくなる、という完全歩合に近い賃金体系でした。これは社長自身の考え方そのものが反映されたものであり、社長自身が経験したものでした。
社長自身はこのような組織でトップセールスマンとなり会社を自ら起こすことになったのですが、実際は殆どの人が生活費すら稼ぐことが出来ず、離職率がとても高かったそうで、社長と他数名が会社の売上げの殆どを占めていたそうです。
P社に限らず営業職へは歩合という、魅力的と思われがちな賃金体系を採用していますが、実はこの制度が機能している営業マンは少数派であり多くは効果が発揮されていません。
それは、会社側の固定費のリスク回避の為に歩合という制度を取り入れ、売上げを上げれば稼げるという夢を社員へ描いているつもりですが、営業マン本人には伝わっていないのです。
確かに一見成績を上げれば上げただけ稼げる、ということはとても魅力的に感じますが、成績が上がらなければ営業マンのモチベーションに逆にマイナスとなります。
私がお伝えしたいのは歩合給を稼ぐことが出来ている営業マンは殆どいないということです。読者の皆様の会社ではいかがでしょうか?歩合給を多く稼いでいる営業マンは少数派ではないでしょうか??
P社ではこのことに気づき歩合重視の賃金体系から固定給重視の賃金体系に変更をしました。評価も売上げだけだったものを、日々の勤務態度やお客様への対応・売上げ(実績)の複数の角度から評価できる基準を作ったことにより、営業マンを正当に評価出来るようになりました。これにより、今まで営業成績が芳しくなかった営業マンが賃金改定の月から少しづつ成績を上げることが出来るようになりました。そして6ヵ月後にはトップセールスマンを抜く成績を上げることにことになったのです。
この事例で分かることは営業マンとして働きたい者は歩合(お金)だけを求めているばかりではないということです。会社を経営する側には、?売上げを上げることに主眼を置くこと、?お客様の満足度に主眼を置くこと、のどちらも見られますが、?は売上げ重視になり、売れれば何でも良いという質の低い営業マンが生まれやすい環境であり、?は売上げの結果が出るまでに時間が必要にはなりますが、質の高いお客様と質の高い営業マンが育つ環境ができるのです。結果的に会社が継続的に発展していく為には?をお勧めします。?というのは、固定給重視の賃金体系であり、社員が安心して働ける環境を作ることで高いモチベーションを維持し、社員が愛社精神を持ち自発的に仕事に取組める環境となります。
〈S社様の事例〉(営業に関する社内共通用語の作成)
S社様では営業指導方法に悩みを抱えていました。社長は現在の営業部には大きな不満はなかったものの、今いる営業マンの能力を考えるとまだまだやれるはずだと考えていました。しかし、何をどうすれば良いのか分からない為にそのまま問題にすることなく先送りにしたままだったそうです。そのような状況のなか、私の営業研修に参加されました。
ご相談を頂き、お話していく中で私はS社様の気になる点を見つけたのです。それは、営業部は部署であるものの、個人個人の営業方法に任せている為にそれぞれがどのように営業を行っているのかが殆ど分からない状態にあったことです。自社の営業マンが、どのようなプロセスで売上げを上げているのかを把握せずにいることはとても問題です。
なぜならば、売上げが伸びているときは問題ありませんが、売上げが下がり始めた時にどこに問題があるのかを検討する事ができないからです。商品に問題があるのか? 営業マンに問題があるのか?営業方法に問題があるのか?営業マンはお客様との窓口です。会社において、とても重要な役割を担っています。だからこそ営業プロセスを把握することが必要です。
そしてもう一点。営業プロセスを把握することが営業指導を効率化します。理由はモチベーションアップの方法でお伝えしたとおりです。さらに効率化する為には、営業プロセスを社内共通用語にすることです。これを行うと営業マン同士が問題を指摘し合い、自然と営業教育が成り立つ仕組みができるのです。
S社様では私が社内営業研修を実施させて頂き、基本の営業プロセスを元にS社専用にカスタマイズした社内共通用語を作り、全社員で共有することを行いました。その結果、全社員(営業以外の部署を含む)で社内共通用語を徹底したことで、営業部はもとより営業部をサポートする業務部も現状を把握したことで連携が強化され大幅な売上げ増になりました。
営業に関わらず社員同士がお互いに問題を認識し、自発的に改善できる環境づくりをお勧めします。

