• 調査・提言等発表資料
  • セミナーのご案内
  • 支部会・業種別部会のご案内
  • 労務相談Q&A
  • 研修ビデオの貸し出し
  • 採用適性診断サービス
  • メールマガジンのご案内
会員専用ページについて

会員企業の皆様は、ホームページからも、本会発表資料(賃金・賞与交渉状況、モデル就業規則、各種ガイドブックなど)がホームページ上でご確認いただけます。

『会員専用ページ』からアクセスしてください。

会員専用ページ

モデル賃金

次世代育成支援対策推進センター

会報

「不正競争防止法の改正と新しい営業秘密管理指針」

辻巻総合法律事務所 弁護士 辻巻 健太

 今月から「改正不正競争防止法」が施行されます。改正法では退職者による営業秘密の漏洩が刑事罰の対象となりますが、経済産業省では企業における営業秘密の実効的な管理方法についての指針(改訂版)をまとめました。
 この「営業秘密管理指針」(改訂版)の内容の紹介しながら、企業における営業秘密管理の経営上の重要性、また特に人事担当者として押さえておくべき実務上のポイントについて、辻巻健太弁護士に解説していただきます。


 平成17年の不正競争防止法の改正(平成17年11月1日施行)は、営業秘密の侵害に対する刑事罰の強化、及び海賊版対策としての著名表示の不正使用などに対する刑事罰の導入を主たる内容としている。
 営業秘密の保護については、不正競争防止法の平成11年改正により、営業秘密の民事的な保護が導入され(不正競争防止法2条7号乃至9号)、これを補強するものとして一定の悪質な営業秘密侵害行為に対して平成15年の改正で刑事罰が導入された。その後、平成16年改正では裁判で開示される営業秘密についての秘密保持命令制度及び当事者尋問等の公開停止制度が導入された。更に、今回の平成17年改正により国外犯の処罰と在職中に営業秘密の持出しの依頼等を受けて退職後に営業秘密の開示・使用を行う行為類型に対する処罰が追加され、また営業秘密侵害行為に対する罰則も重くなった。

 不正競争防止法の改正を受けて、経済産業省は平成17年10月12日に営業秘密管理指針の改訂版を公表した。そこで、改正後の不正競争防止法に基づく営業秘密侵害に対する刑事罰の概要と営業秘密管理指針の改訂版の内容を紹介する。

不正競争防止法上の保護を受ける要件としての秘密管理

 ある情報が不正競争防止法の保護の対象である営業秘密に該当するためには、@情報の有用性、A情報が一般に知られていないこと、及びB情報が秘密として管理されていることの三つの要件を満たすことが必要である。このうち、企業として特に意識して取り組む必要があるのは「情報が秘密として管理されていること」という要件である。社内的に情報の秘密として指定されておらず、また従業員であれば誰でも見ることができるような場所に保管されているような場合には、「情報が秘密として管理されている」とは言えない。例えば、東京地判平成10年11月30日・知財協判例集(平成10年)1210頁は、顧客名簿と売上高順位表につき、@秘密であることを示す表示がない、A他の書類と区別して管理されていない、B閲覧できる従業員が制限されていない、という理由から、「秘密として管理されていない」として不正競争防止法の適用を否定した。このように価値のある情報であっても、秘密として管理されていないと法的保護を受けられない。営業秘密をめぐる民事訴訟では、この秘密管理の要件が満たされていないことを理由とした請求棄却の例が多い。

営業秘密の民事的保護と秘密保持命令制度

 不正競争防止法2条1項4号乃至9号(不正競争の定義)、同3条(不正競争の差止請求権)、同4条(損害賠償請求権)、及び同5条(損害額の推定)に基づき、営業秘密の所有者は不正手段で入手した営業秘密、秘密保持義務を負うものにより不正に開示された営業秘密、及び不正な手段又は不正開示を通じて入手した営業秘密の差止請求権と、知的財産権の侵害と同様な損害推定の規定がついた損害賠償請求権が認められている。

 これまでは、訴訟が公開であり且つ米国のような企業秘密の保護のための制度が存在しないため裁判にすると秘密性が失われてしまう可能性が高い点が営業秘密侵害に対して民事訴訟を提起する上で一つの障害となっていたが、平成16年の「裁判所法等の一部を改正する法律」により裁判所による秘密保持命令制度(不正競争防止法10条)や当事者尋問等の公開停止(同13条)など、裁判手続きにおける営業秘密の保護制度が導入された。後述のように、この秘密保持命令違反については刑事罰が定められている。

営業秘密侵害行為・裁判所の秘密保持 命令違反に対する刑事罰

 平成17年改正後の不正競争防止法21条1項4号乃至9号は、営業秘密の保護の強化のため、民事的に違法とされる営業秘密の侵害行為のうち、以下の特に悪質とされる行為につき5年以下の懲役及び500万円以下の罰金を課している(営業秘密侵害罪)。なお、いずれも親告罪(被害者の告訴がなければ処罰されない罪)である。平成17年の不正競争防止法改正により国外犯(日本国内で管理されている営業秘密を国外で不正に開示・利用する行為)も処罰されることとなった。

 また、改正により、法人の役員・従業員等が営業秘密侵害罪のうち4号、5号又は9号の罪に該当する場合には、当該法人に対しても1億5000万円以下の罰金が課せられるという両罰規定が導入された。9号の「営業秘密侵害罪に該当する行為により営業秘密を取得し不正使用・開示する罪」も両罰規定の対象であるから、営業秘密侵害罪に該当する方法で他人の営業秘密を入手した企業はほぼ全て両罰規定の対象となる。

@ 不正取得後使用・開示罪(4号)

 「詐欺等行為」又は「管理侵害行為」により取得した営業秘密を「不正の競争の目的」で使用し、又は開示する行為

詐欺等行為 : 詐欺、暴行又は脅迫
管理侵害行為 : 不正アクセス、営業秘密の管理施設への侵入等
不正の競争の目的 : 自己を含む特定の競業者(ライバル企業)を利する目的
従って、営業秘密を侵害する者が自らが競業を行う目的を有するか、又は競業者と共謀することが刑事罰の前提となっている。

A 不正開示後使用・開示準備罪(5号)

 「不正の競争の目的」で使用し、又は開示する目的で、「詐欺等行為」又は「管理侵害行為」により営業秘密を取得する行為(営業秘密の不正開示等の準備行為)のうち、以下のいずれかの方法によるもの

(@) 保有者の管理する営業秘密記録媒体等を取得すること
(A) 営業秘密記録媒体等の記載内容の複製を作成すること
(例えば、サーバからFDに複製したりプリントアウトを作成する方法や、書類をコピーやデジカメの写真などで持ち出す方法など)

 すなわち、媒体に頼らず記憶により秘密を持ち出す行為については、それが「詐欺等行為」又は「管理侵害行為」による場合であっても、現実の使用や開示がなされるまでは処罰されない。

B 不法領得後使用・開示罪(6号)

 営業秘密を保有者から開示された者が、(@)「詐欺等行為」又は「管理侵害行為」により、又は(A)横領その他営業秘密管理媒体の管理に係る任務に背く行為により、以下のいずれかの方法で営業秘密が記録された媒体を領得又は作成して「不正の競争の目的」で使用し又は開示する行為

(@) 保有者の管理する営業秘密記録媒体等を取得すること
(A) 営業秘密記録媒体等の記載内容の複製を作成すること
(例えば、サーバからFDに複製したりプリントアウトを作成する方法や、書類をコピーやデジカメの写真などで持ち出す方法など)

 媒体を通じた営業秘密の取得のみを罰する点はの不正開示後使用・開示準備罪と同様である。

 例えば、現職の役員や従業員が、業務上正当に開示された書類や電子ファイルを退職前に密かにコピーしたり電子メール等で送信して持ち出し(営業秘密媒体の管理に係る任務に背く行為による複製)、退職後に転職先等に持ち込む行為は、この罪に該当することになる。また、ソースコードのエスクローエージェントが保管しているソースコードを不正コピーして同業他社に売却する行為などは、典型的にこの罪に該当することになろう。

C 役員・従業員不正使用・開示罪(7号)

 営業秘密の保有者の役員又は従業員(派遣社員を含むが、業務委託を受けた請負労働者は含まれない)が、「不正の競争の目的」で、その営業秘密の管理に係る任務に背き(背任)、使用し、又は開示する行為。

 この類型は、処罰の対象が現職の役員又は従業員に限定されている代わりに、行為態様が特に限定されておらず、営業秘密についての秘密保持の義務に違反する行為を広く処罰している。
 但し、あくまでも現職の役員又は従業員の行為を処罰するものであるため、退職後の不正利用や開示は本号には該当しないことになる。

 なお、この規定の処罰の対象は現職の役職員だけであるから、退職者がライバル企業に再就職した後に元の雇用主の営業秘密を流用したとしても(民事上は、不正競争防止法2条7項の「営業秘密の不正開示」には該当するであろうが)、この役員・従業員不正使用・開示罪(14条 6号)には該当しない。

D 在職中の請託等に基づく退職後の不正使用・開示の罪(8号)
(平成17年改正で新設)

 前記の役員・従業員不正使用・開示罪(7号)では在職中に転職予定先の企業の依頼を受けて営業秘密を持ち出して転職したような悪質なケースでも不正使用・開示行為が退職後であれば処罰の対象にならないため、在職中に転職予定先などの第三者の請託(依頼)を受けたり、役員や従業員の側から開示を申し入れた上で、退職後に開示や不正使用を行う行為を平成17年改正で営業秘密侵害罪の類型に追加した。この罪が在職中の請託等を要件としているのは、従業員等の転職を萎縮させないこととのバランスを考慮したものであるが、捜査当局が請託等の存在を立証できるようにするためには、企業の側が各従業員の営業秘密へのアクセスの履歴や社内電子メールの履歴を保存するなど営業秘密の管理の努力を尽くすことが必要不可欠である。

E営業秘密侵害罪に該当する行為により営業秘密を取得し不正使用・開示する罪
(9号)(平成17年改正で新設)

 事情を知って営業秘密侵害罪に該当する行為で持ち出された営業秘密を取得する行為は、本号の罪の追加以前であっても営業秘密侵害罪の共同正犯、教唆犯、幇助犯などの共犯に該当する。しかし、共同正犯に該当する場合は別段、教唆犯や幇助犯などの従犯に対する教唆や幇助には処罰が及ばないため、営業秘密の不正取得者と不正使用者の間に第三者を挟むことで刑事罰を免れる可能性がある。そこで、営業秘密侵害罪に該当する行為により営業秘密を取得し不正使用・開示する行為を、平成17年改正で独立した営業秘密侵害罪の類型として追加した。

 また、不正競争防止法21条1項10号は、知的財産権関係の訴訟につき裁判所が発することができる秘密保持命令の違反について、5年以下の懲役及び500万円以下の罰金を課している。この秘密保持命令違反の罪についても国外犯処罰が定められている。
 法人の役員又は従業員が秘密保持命令に違反した場合には、両罰規定により法人に対しても1億5000万円以下の罰金が課せられることとなった。

営業秘密管理指針

 前述の通り、不正競争防止法に基づく営業秘密に対する刑事・民事上の保護を受けるためには当該営業秘密が実際に「秘密として管理されていること」が必要である。また、そもそも重要な秘密情報を守るには当該情報を「秘密として管理」することを通じて漏えいが生じるリスクを最小限にすることが最も有効な手段である。
 また逆に、自らの会社が、例えば転職者による他社営業秘密の持ち込みなどを通じて第三者の営業秘密を侵害することがないように留意する必要もある。従業員が営業秘密の侵害行為を行った場合、雇用主である会社に損害賠償等の民事上の責任が生じることは勿論、前述のように不正競争防止法の改正により営業秘密侵害罪に両罰規定が導入されたため会社は刑事責任も負う可能性がある。
 経済産業省は、平成17年改正後の不正競争防止法や情報セキュリティの仕組みの進化を受けて、適切な営業秘密管理の具体的な方法の指針を示すために、平成17年9月8日に「営業秘密管理指針」の改訂版を公表した。(http://www.meti.go.jp/press/20051012002/20051012002.html)

 この改訂版案は、平成17年改正後の不正競争防止法のもとで、企業が具体的にいかなる情報管理を行うべきかの指針を示しており、営業秘密の保護に関する過去の判例も多数紹介されており、営業秘密の管理の上で利用価値は高い。

営業秘密を守るためにまず何をすべきか(営業秘密管理指針のポイント)

 経済産業省の「営業秘密管理指針」改訂版の内容を詳細に紹介することは紙幅の関係で困難であるため、人事労務関係を中心に重要と思われるポイントを紹介する。

 このうち、特にの営業秘密の客観的認識可能性、及び?アクセス制限は、不正競争防止法上の営業秘密の保護を受ける要件である秘密管理性が認められるための要件として判例上必要であると解釈されている。近時の判例では、営業秘密の管理が不十分であるという理由で不正競争防止法に基づく保護が認められなかったケースの方が遥かに多く、裁判所の保護を受けるために最低限必要な秘密管理すらなされていない企業が多いのが現状であり、営業秘密の管理に早急に着手する必要性は大きい。

@ 営業秘密の客観的認識可能性
(営業秘密の把握と秘密性のない情報との明瞭な区別)

 秘密とすべき情報と秘密性のない情報が明瞭に区別されていないと、従業員等にとってどの情報を秘密にすべきかを認識できないため、判例に照らせば営業秘密としての保護を受けるために必要な「情報が秘密として管理されていること」(秘密管理性)という要件を満たしていないと解釈される可能性が非常に高い。

 また情報の秘密管理には手間とコストがかかるため、社内の全ての情報を秘密として管理することは不可能であり、秘密と秘密でない情報の仕分けをしない限り現実の秘密管理は不可能である。

 よって、何が自社の競争力の源泉となる営業秘密であるかを分析し、社内の情報資産の把握、及び営業秘密と秘密にする必要のない情報の仕分けを行うことが必要である。なお、マル秘のスタンプは、営業秘密を他の情報から区別するための手段であって、全ての書類に漫然とマル秘と記入しても営業秘密の管理上の意味はない。

A アクセス制限

 上述の営業秘密とそれ以外の情報の分別に加えて、営業秘密へのアクセスできる従業員の制限も「情報が秘密として管理されていること」(秘密管理性)の要件として必要であると判例上解釈されている。営業秘密のような重要な情報は社外の第三者がアクセスできないような場所に保管されているはずであるが、それだけでは不十分であり、秘密管理性を満たすためには、例えば鍵付きロッカーに保管したり、当該情報へのアクセスにパスワードを要求するなどの方法により、現実にアクセスできる従業員等を限定していることが必要とされている。もちろん、パスワードや鍵などの形式を整えても、ロッカーの鍵が放置されていたりパスワードを書いたメモが社内に張ってあるなど、実質的にアクセス制限になっていない場合には、秘密管理性を満たさない。

B 秘密管理についての教育訓練

 教育訓練を通じて従業員等が営業秘密の管理について意識とノウハウを持つことは、営業秘密の管理を実現する上で非常に重要である。判例の中には、従業員等に対する 教育訓練の有無を秘密管理性の要件の判断要素に加えている。

C現職従業員及び退職者に対する秘密保持の義務付け

 現役の従業員については、就業規則で秘密保持義務が定められていることが多いが、仮に就業規則で特段の規定がなくとも信義則上秘密保持義務が認められるのが通例である。
   これに対して、明示の特約がない場合の退職者の守秘義務違反は、「著しい信義則違反」があった場合に限定して認められており、特約がない場合の退職者の守秘義務の範囲は非常に限定的である。従って、就業規則や守秘義務契約により、予め明示的に秘密保持義務を課しておくことが必要である。退職者の守秘義務を確実なものとする上では、単に就業規則に定めておくだけでなく、退職前に従業員に秘密保持の誓約書を提出させることが望ましい。これは、単に就業規則に定めただけの場合「同意のない不利益変更であって拘束力がない」「そのような規定の存在を知らなかった」等の抗弁が出てくる可能性があるのに対し、誓約書の存在により退職者が守秘義務に真実同意していたことを明確に立証できるためである。誓約書を提出させる時期としては、(@)入社時(誓約書の取得は容易であるが、保持すべき営業秘密の内容を特定できないため法的な効力は弱い)、(A)機密性の高いプロジェクトに参加させる時点など在職中(手間はかかるが、秘密保持の対象となる情報が容易に特定でき、且つ従業員 に秘密保持への強い意識を持たせられるので最も効果的)、(B)退職時(秘密保持の対象となる情報の特定は容易であるが、突然に誓約書を要求しても退職する従業員の同意を得られない可能性がある)の三つが考えられる。
 実務上は、入社時とプロジェクト等への参加時や退職時の両方で誓約書を提出させるなど、複数回誓約書を提出させることも一般的に行われている。

D 退職後の競業避止

 ライバル企業に転職した退職者による秘密保持義務違反を防止したり、これを発見して損害賠償等を請求することは現実には困難であるため、より高いレベルの秘密保持の確保の手段として、従業員との契約によりライバル企業等への転職を一定期間禁止する競業避止義務を課す場合がある。

 しかし、競業避止義務は、退職者の「職業選択の自由」という憲法上の権利を制約するため、退職者に対して競業避止義務を課すことについては判例及び学説上以下のような要件が要求されている(大阪地判平成15年1月22日・労働経済判例速報1830号20頁、平成9年1月27日浦和地決・判例時報1618号115頁、奈良地判昭和45年10月23日、広島高判昭和32年8月23日判例時報132号16頁など)。

(@)就業禁止の期間が必要最小限度であること
(A)場所的範囲についても、使用者の事業の範囲を超えないこと
(B)制限される業種、職種が必要最小限であること
(C)競業避止の対価としての割増退職金の支払い等の代償措置の存在
(D)競業禁止による従業員の不利益、生計維持の必要性への配慮

以上のような判例の基準に照らせば、競業避止義務の法的な有効性を確保するためには、競業避止義務を全ての従業員に一律に課すのではなく、例えば幹部や研究開発部門の研究者など特に機密性の高い情報を取り扱う従業員に限定して、それぞれの職務内容に応じた合理的な範囲の競業避止義務を課し、且つ転職制限による経済的な不利益に対する十分な補償(割増退職金など)を行うことが必要である。

E 組織的な秘密管理体制のためのPDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルの確立

 ある程度以上の規模の会社になると、営業秘密の漏えいを効果的に防止するには、組織的管理が必要となる。そのためには、ISO9000に基づく品質管理と同様に、PDCAサイクルの確立が必要である。すなわち、以下のサイクルにより、営業秘密 の管理体制の「改善」を継続的に実施する必要がある。

(@)営業秘密の管理方針・規程等の作成・文書化(Plan)
(A)責任者の設置、従業員への周知徹底、情報保護のために必要な設備の導入などによる管理方針・規程等の実施(Do)
(B)秘密管理の状況のチェック(Check)
(C)秘密管理の方法の見直し(厳格化だけでなく、管理コストや従業員の負担軽減も考慮する)(Act)

まとめ

 企業にとって技術ノウハウや顧客情報などの営業秘密の重要性が増している現在、営業秘密管理指針を活用して、営業秘密の漏えいと自社従業員による他社の営業秘密の侵害のリスクを避けることが重要となっている。
 また、営業秘密管理指針にはあまり直接には触れられていないが、営業秘密の十分な管理には、各従業員の営業秘密管理への取り組みを適切に評価して人事考課や賞罰に反映させる工夫が重要である。営業秘密を適切に管理するには各従業員が管理のために時間を割いたり不便を我慢する(=業務効率の低下)必要があるが、営業秘密管理自体は直接業務の成果に反映されるものではないので、営業秘密管理への姿勢が人事上適切に評価されない限り、各従業員に営業秘密管理への積極的な取り組みを期待することは難しいと思われる。