• 調査・提言等発表資料
  • セミナーのご案内
  • 支部会・業種別部会のご案内
  • 労務相談Q&A
  • 研修ビデオの貸し出し
  • 採用適性診断サービス
  • メールマガジンのご案内
会員専用ページについて

会員企業の皆様は、ホームページからも、本会発表資料(賃金・賞与交渉状況、モデル就業規則、各種ガイドブックなど)がホームページ上でご確認いただけます。

『会員専用ページ』からアクセスしてください。

会員専用ページ

モデル賃金

次世代育成支援対策推進センター

会報

経営シンポジウム中部2003
〜成長企業の人材育成〜

 11月14日、名古屋商工会議所2階ホールにおいて「伸びる企業の人材育成〜社員の成長が企業の未来を拓く〜」をテーマに経営シンポジウム中部2003を開催した。
 今回で19回目となるこのシンポジウムは、愛知、岐阜、三重3県の経営者協会で構成する中部経営者協会がトップセミナーとして毎年開催しているもので、当日は、3県の経営者や人事担当者ら約180名が参加し、各講師の話に熱心に耳を傾けた。
 企業が厳しい国際競争を勝ち抜くためには、成果主義の一層の徹底を図ると同時に、成果を生みだす社員一人ひとりの能力を向上させていくことが不可欠である。今回のシンポジウムは、厳しい経営環境の中で好調な業績を挙げている企業の事例を通じ、競争力の向上に結びつく人材育成のあり方の模索を主たる狙いとして開催した。

柴田会長 開会挨拶

 開会にあたり柴田会長から「かつて世界のトップを競っていた日本の国際競争力は低下の一途を辿っているが、企業の技術力や労働者への訓練など、依然として世界の1、2を争っている分野もある。人を育成して中長期的に技術や生産性を向上させて行く力は日本企業の強みであり、日本が国際競争を勝ち抜くために大変重要である」との挨拶があった。

基調講演
「能力開発とキャリア形成」

 基調講演では、東京大学社会科学研究所教授の佐藤博樹氏に、人的資源の質向上の重要性や人的資源開発の基本・あり方などについて、ご講演いただいた。
佐藤氏はまず、企業にとって経営戦略を具現化できる人材の有無が大きな差となり、また、同じ仕事でも人によりアウトプットに差が出る業務が増加している中で、人的資源の質が企業の競争力を大きく左右する時代になったと指摘。これからの人事戦略では、労働サービス需要の「量」「質」「時間」の変動や、企業の「支払能力」の変化に柔軟に対応できる、バランスの取れた雇用・処遇モデルの選択が課題であると述べられた。
 企業が求める人材像が急激に変化し、人材育成が難しい時代においても、人的資源開発の基本であるOJT、キャリア形成、OFF-JT、自己啓発をうまく組み合わせることが大切で、中でもOJTとキャリア形成が重要であると指摘された。
 OJTでは、仕事のさせ方、与え方がポイントとなるため、管理職の果たす役割が重要であると強調され、育成を考え、少々「背伸び」しなければ達成できないレベルの仕事を与えること、納得して仕事に取り組んでもらうこと、などが必要であると述べられた。
一方キャリア形成では、人材の職場への抱え込みを打破し、能力開発を考慮した人材配置を実現するため、人事部門の役割が重要であると述べられた。特に入社4、5年までの初期のキャリア形成期においては、育成が上手な管理職に預けること、後輩指導の機会を与えることが有効で、後輩のいない若手にはインターンシップなども活用し、指導の経験をさせて育成の機会とすべきであると述べられた。
 最後に、成長企業にはいわゆる「右腕」が存在するとの調査結果を紹介し、社長には社長にしかできない仕事に集中するために、経営の一部を任せることができる「右腕」を育てなければ、企業は成長できないとの考えを示された。

パネルディスカッション
「成長企業の人材育成」

 パネルディスカッションでは、日本メナード化粧品(愛知)取締役人事部長の服部和行氏、鍋屋バイテック(岐阜)社長の岡本太一氏、ぎゅーとら(三重)社長の清水良英氏がパネリストとして登壇。佐藤先生のコーディネートで、各社の求める人材像や社員が自ら能力を伸ばそうとする意欲の喚起策、中期的なキャリア形成など様々な視点から人材育成について意見が交わされた。
 服部氏は、同社が化粧品の訪問販売を中心とする事業形態のため、お客様等との人間関係を構築する能力を重視しており、部門や性別を問わず、新入社員全員に2、3ヶ月の訪問販売研修を行っていると述べられた。また、全社員の6割が女性社員という人員構成の中で、昨今は女性の力の発揮が目覚しく、30代半ば以降も継続して力を発揮してもらう仕組みを、いかに構築していくかが今後の課題であると述べられた。
 岡本氏は、ニッチな市場に絞り込んだ事業戦略が自社の強みであり、創造的なモノ作りができる人材の育成を経営理念としていると述べられた。また、収益をあげるために社員自らが勉強するクセをつけることが大切であるとの考えを示し、資格取得者に毎月手当を支給する同社の「マイスター制度」などを紹介した。
 清水氏は、能力は「やる気×やる気×技術」であるとの考えを示し、人材育成においてはいかに社員のやる気を引出すかが重要であり、経営者がまず社員に期待し、権限と責任を与えることが大切であると述べられた。
 さらに経営者は、わかりやすい言葉で社員に語ることが必要だと指摘するとともに、小売業ではパート社員はお客様に近い存在であり、パート社員を大事にする姿勢がお客様の尊重につながると述べられた。

特別講演
「企業改革の真髄-精神革命と人材育成-」

 特別講演では、伊藤忠商事且ミ長の丹羽宇一郎氏から、ご自身の経営観や同社の企業改革を実践したご経験を踏まえながら、「企業改革の真髄」と題してご講演いただいた。
 丹羽氏はまず、昨今の日本の経済動向に触れ、若干明るい兆しが見えはじめたと言われるが、税収の減少や家計の貯蓄率低下、労働者の収入減など、明るい材料があるわけでなく、決して楽観できる状況にないとの考えを示された。
 日本企業はこれまで、不良債権処理や経費削減を進めてきており、今後はどう収益を確保していくかを考える段階に入ったと指摘。今後、(1)人の持っている資産をいかに有効に活用するか、(2)中国でどう事業を拡大していくか、(3)先端技術をいかに実際の経済に応用していくか、の3点が重要であると述べられた。
 さらに、これらに増して大切なことは、組織を動かす「人の心」をどう変えていくかであり、これこそが企業改革の真髄であると強調された。
社員の心を変えるためには、(1)自分の言葉で平易に語る、(2)社内の“しがらみ”を解く、(3)社員一人ひとりを認め、任せ、誉めること、が大切であり、経営者は常に自分が背中から見られていると心得、日頃の行動に気をつける必要があると指摘された。
 最後に人材育成について触れ、(1)“エリート”をどう育てるか、(2)中間層をいかに厚くするかの2つの視点が必要であるとの見解を示し、意識的にエリートを育てること、また日本の強みである中間層をより多く育てることが大切であると述べられた。